新入社員が会社を辞めるべき時期とタイミング。様々な意見がありますが、すぐ辞めろも3年耐えろも正しい考え方ではありません。この記事では、新入社員が会社を辞めるべき時期やタイミングについて、新しい観点から説明いたします。
▼広告代理店での営業マン、教育産業での部長職を経て、独立(講演+キャリア系などのインターネット事業)に成功した筆者が、本当の成功者を輩出するために執筆している塾のようなサイトです。
【結論】新入社員が会社を辞めるべき時期とタイミング
- 新入社員が会社を辞めるべき時期は、会社の理不尽さを決定的に証明できる証拠をつかんだあとがベストです。
- いやならすぐ辞めろは誤りです。短すぎる、決定的な理由がない退職の場合は、優良企業も取り合いません。転職後の企業レベルが下がる可能性が大きいです。
- グレー企業とブラック企業では、退職すべき時期(タイミング)が異なります。
新入社員が会社を辞めるべき時期は、会社の理不尽さを決定的に証明できる証拠をつかんだあと
新入社員が会社を辞めるべき時期(タイミング)は、会社の理不尽さを決定的に証明できる証拠をつかんだあとがベストです。
例えば、自殺した電通の新入社員高橋まつりさんの残業時間は、105時間でした。これは1つの目安になるでしょう。筆者も、広告代理店勤務の頃は、100時間前後の残業の経験があります。実際に残業のさなかにある場合は、忙しく勤務状況の記録をあとまわしにしてしまいがちですが、タイムカードを備えている会社なら必ず正確に打刻し、コピーしておきましょう。直行直帰などタイムカードに反映しにくいものも、必ず記録します。
おすすめは、経理がタイムカードを回収する前日にコピーすることです。コピーは2枚取り、1枚はそのまま保存、2枚目に直行直帰など打刻できないものを手書きで書いておきます。移動時間については、クルマの運転や朝事務所に1度立ち寄る指示が出ている場合などは、勤務時間に含まれます。
もしあまりにも忙しく、タイムカードの管理などしている余裕がなく、一刻も早く寝たいという場合、アプリを使用しましょう。
- 残業代証拠レコーダー(android)
- 俺の残業代がこんなに少ないわけがない。(iPhone)
100時間程度の残業(とくに賃金不払いの残業)の証拠を得た場合には、転職活動がしやすくなります。ただし、転職先でもある程度の残業は存在する場合が多いので、残業が嫌なわけではないという態度は示しておく必要があります。
上司の理不尽な態度は、決定的な証拠をつかむ
理不尽な態度の上司が要る場合は、決定的な証拠をつかむまで待ちましょう。自分がパワハラだと感じる程度では、捉え方の問題もあり、転職のさいに説得力を欠く可能性があります。
筆者は、会社の新サービスの宣伝のために、自主的に朝5時に起きて駅前でチラシを配っていたことがあります。上司の許可を得て、何人かでやっていました。しかし、深夜に帰宅して朝5時に起きるのはさすがに厳しく、ある朝シャワー中に意識が薄くなり、転んでしまいます。ドアの敷居の金属で体を何か所か切り、出血しました。出血が止まったあとチラシ配りは行いましたが、その数日後に幹部に呼び出されます。その場で、あなたのやっていること(早朝のチラシ配り)は人事的評価を上げるための自己PRに過ぎないず周りに迷惑だ、非難されました。
このことで退職を決意しましたが、これだけ酷い事例があれば、転職のさいにも十分に説明がつきます。現在パワハラは、訴訟の対象ですので、ボイスレコーダーで録音しておくとより効果的です。
退職時期を決めるポイント
- タイムカード(または残業アプリ)を、半年分程度は保存し、重大な違法と言える残業の状況の証拠を残したあとに退職を判断しよう。
- パワハラや無理な業務がある場合、誰がどう見てもおかしいと言える、決定的な証拠をつかむまで待とう。決定的な証拠をつかんだ時点で、退職を判断しよう。
3年(5年)耐えてから、退職すべきなのか?
3年(5年、7年)など区切りの良い期間は働いてから退職すべきだという意見もあります。確かに一定の経験値を積むことができ、履歴書上もきれいで印象が良くなります。筆者は、2社の勤務経験がありますが、このことを意識して、いずれも7年間働いたのちに退職しています。
しかし、転職市場が活性化し、若手ならやや売り手市場と言える現在、この7・5・3退職理論はすでに時代遅れのものとなっています。7・5・3退職理論の発信者の発言をよく確かめてみてください。昭和的な古い勤労観を前提とした発言が目立つはずです。
3年(5年)耐えてから、退職すべきなのか? これは会社のブラック度により異なります。
(1)会社がグレーの場合(同期退職率が3割以下)
新入社員の同期退職率が3割以下の場合、あなたの会社はブラックの手前、グレーと言えます。この場合、できれば辞めたいという気持ちはよく分かりますが、確かに3年耐えるメリットもあります。
どの会社でも、1年目は驚くほど大変ですが、2・3年目での緩和は大きなものがあります。
- 1年目 負担度は100。慣れない、任されない、強弱がつけにくいという点で、限りなく苦痛。
- 2年目 負担度は50。慣れてくるため、仕事は増えるものの、面白さも。サボるタイミングも分かる。
- 3年目 負担度は33。仕事を任されるため、やらされ仕事から来るストレスは減る。
できれば辞めたいという気持ちはよく分かりますが、3年耐え基本的なスキルを身につけ、履歴書をロンダリングするために3年待つという方針も検討できます。
※ただしこれは、営業マン、総合職、エンジニアに当てはまるものであり、当てはまらない方もいます。
(2)会社がブラックの場合(同期退職率が4割以上)
新入社員の同期退職率が4割以上の場合、かなりの割合でブラック企業と言えます。高い中途退職率を加味し、かなり多めに新卒を採用しているような企業は、ブラック企業です。
ブラック企業の場合、使用者も新卒を使い潰すことしか意図していませんので、あえて3年、まして5年耐える必要は全くありません。「新入社員が会社を辞めるべき時期は、会社の理不尽さを決定的に証明できる証拠をつかんだあと」の項目に記したように、違法性の高い残業時間やパワハラ、セクハラ等の証拠をつかむようにします。また、退職後にきっちり残業代を支払ってもらうためにも、会社の行っている違法な行為は記録しておいた方が交渉しやすいでしょう。
違法性の高い残業時間やパワハラ、セクハラ等の証拠をつかむまでは、できれば潜伏して耐えた方が無難です。転職のさいに、前社がいわゆるブラック企業でと面接で話しても、ブラック企業の基準は人によりますので、面接官も判断が難しい要素です。「100時間の残業が半年続き、同期退職率は6割です。あえてお話はしませんが、社会的に大きな問題がある社内のできごとはいくつか記憶しています」というような説明ができれば良いでしょう。
いやならすぐ辞めろ、は誤り
最近よく聞かれる、いやならすぐ辞めろ、は誤りです。勤務する会社による場合分けがなされていないからです。
- 会社がグレーの場合(同期退職率が3割以下) … いやならすぐ辞めろは誤り。
- 会社がブラックの場合(同期退職率が4割以上) … いやならすぐ辞めろは正しい。
会社がグレーのレベルの場合、経験値を積むことは可能ですので、自身の体力や精神状況と相談しながらとなりますが、すぐ辞めろは正しいアドバイスとは言えません。詳しくは、上の章[3年(5年)耐えてから、退職すべきなのか?
]で説明しました。
会社が明らかにブラック企業の場合、いやならすぐ辞めろは正しいです。しかし、ブラック企業であることを客観的に証明できるような残業記録や、セクハラ・パワハラの証拠をつかむまでは、体力や精神状況と相談しながらとなりますが、短期間続けるべきだと思います。詳しくは、1つ目の章[新入社員が会社を辞めるべき時期は、会社の理不尽さを決定的に証明できる証拠をつかんだあと]で説明しました。
【まとめ】新入社員が会社を辞めるべき時期とタイミング
新入社員が会社を辞めるべき時期とタイミングは、会社がブラックなのかグレーなのかによって異なります。グレー企業の場合、経験値や履歴書の見栄えを考え、年単位で行動することに意味があります。一方、明らかなブラック企業の場合、その明らかなという主観を、客観的に証明できるだけの、証拠をつかむことが必要です。
もちろん、転職活動のさいにその証拠を面接官に見せる必要はありません(カバンの中に入れておきます)。具体的な証拠をつかんだうえで、残業も含めて全力を尽くすことは嫌ではありませんが、前社は常軌を逸した部分がありました、と発言すれば、声のトーンや表情から、面接官は信ぴょう性を感じ取るものです。もし、常軌を逸した部分とは?と聞かれば、パワハラがありましたなど端的に答えれば良いですし、面接官が強い興味を示した場合にのみ、証拠を提示しましょう。
なお、新入社員が転職する場合、第2新卒の転職にも力を入れているリクナビネクストがおすすめです。登録するだけで、ときどき自分に合った転職情報のメールが来ますので、会社で精一杯で行動できないという方にも適しています。
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コメント
筆者さんの事例が自業自得過ぎて、説得力ないですね。
勤務時間外に自主的(勝手)に仕事して過労で寝ぼけて怪我しましたー!って。
上司の許可もらった、ってことはやはり自分でやりますって言ったんですよね。許可だした上司さんもおかしいですが、会社側(経営陣)にしてみれば超迷惑ですよね。そら怒られますわ。労災疑惑の案件ですから。
電通の事件は会社に半ば強制的に時間・肉体・精神拘束されてって話ですので、筆者さんの事例とはあまり関係ないのでは。
コメントありがとうございます。
自主的にどんどん仕事をして当然だというムードや同調圧力のなかでのできごとです。どの会社でも明文化しないが、自主的な貢献を求めるという雰囲気は存在するかと思います。
例えば、自身の分担が終わるまで帰社できない企業は多くありますが、それによる病気や負傷を自業自得とすることは、形式上はあり得ても、実際には難しいでしょう。
また負傷したことは上司はもちろん誰にも告げていないため、労災案件とはならないかと存じます。