【会社を出てわかった】会社員やフリーターが20代までやっておくべきたった1つのこと


ある大学生から「29歳までにやっておくべきことは何ですか」との質問を頂きました。この質問については、多くの応答が過去にされていると思いますが、今後の日本の産業の動きを考慮すればやるべきことは1つしかありません。

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▼広告代理店での営業マン、教育産業での部長職を経て、キャリアアドバイザー(講演+インターネット事業)として独立した筆者が、ホンモノの成功者を輩出するために執筆しています。

【会社を出てわかった】会社員やフリーターが20代までやっておくべきたった1つのこと

7つのトランクをいっぱいにしてください

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「7つのトランクをいっぱいにしてください」

かつての日本は正社員メインの終身雇用制でした。そのため1つの組織に所属してしっかりと働くことが重要でした。人は定年退職になると、1つの企業で勤め上げた証である役職、実績、賞状、退職金、年金などを詰め込んだ「大きなトランク」を手にして会社を去っていました。

しかしながら現在、1人の人間を40年以上雇い続け「大きなトランク」を授与できる企業は減ってきています。大手企業なら1人の人間を40年以上雇い続け立派なトランクを授与できると思われるかもしれません。しかしトップ企業でも以下のような実情があります。

・入社直後会員カード勧誘の研修を受け、家族や友人に向け最大60件以上のノルマが課される。
・新入社員が1日50件以上の営業電話を課され、全員の件数がPCネットワーク上に表示される。
・電話中にも上司から、獲得すべき金額や売り込むべき商品の指示がPC上に表示される。
・気分転換を兼ねた営業訪問を申請すると、効率が悪いと却下される。
・新卒の半分は退社している。

このような状況にある会社が、社員全員を定年まで雇って役職、実績、賞状、退職金、年金などを詰め込んだ「大きなトランク」を与える気があるかどうかは火を見るより明らかでしょう。大手企業ですらこの状況ですので、中小企業ならばもっと状況は悪いです。

大悪起これば大善きたる

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多くの企業が、社員たったの1人を育て上げ送り出す力失ったこと。それは必ずしも暗い側面ばかりではありません。確かに一生会社に頼りきる生き方は絶滅寸前となっています。

また20歳に20万、30歳に30万と年齢分を払える会社は激減したのにも関わらず、多くの会社は経済成長期同様の通勤地獄、早朝出勤、馬鹿みたいに短い昼休み、食事抜きの残業、休日出勤を当然のように課してきます。40歳になれば月給を40万出せる、ボーナスは3か月分、退職金は1千万オーバー。こういった条件を準備した上での締め付けならまだ理解できますが、十分に待遇できないのに締め付けは強まる一方です。

この時代に生まれたのは不運だったのでしょうか?

しかし「大悪起これば大善きたる」と言います。いま少しずつですが、「これまでとは異なる働き方」が創出されてきています。それに備えるのが20代までの準備したい「7つのトランク」です。

「7つのトランクの中身は千差万別」

20代までに準備すべき「7つのトランク」の中身は人によって千差万別です。全員をひとくくりにしてこれをすべき、あれをすべきと挙げていくキャリアガイダンスはもはや前時代のものです。

例えば「語学力」。日本はこのまま退潮したとしても人口は決して少なくないため、「国語力」もひとつの武器となりえます。しかしできれば英語または別の言語を習熟したほうが良いでしょう。対象者が1億人と18億人(英語人口)では大違いだからです。

ある高校にキャリアアドバイザーとして講演のために訪問したとき、中国からの留学生と話をしました。彼は「爆買い」の流れに乗って、中国人にインターネットで日本の優れた商品を紹介し、月に10万円ほどのお小遣いを得ているそうです。彼は高2でした。高校の先生は、春休みや夏休みは我々の月給以上ですよと自慢されていました。

彼は日本に来て日常会話程度の「語学力」(日本語力)、「日本製品の知識」の2つのトランクを手に入れました。この2つのトランクを駆使して、春休みや夏休みには会社員の月給を超える成果を手にしているわけです。

7つのトランクは趣味でも構いません。「映画を毎週1本見てきた」というようなことでも構わないのです。例えば俳優の斉藤工は若いころ、地元の小さなレンタルショップの映画を50音順に「すべて」見ています。その成果として、俳優業の傍ら映画雑誌などのエッセイの仕事を受注しています。

7つのトランクには法的な加護を得られる資格もおすすめします。例えば大卒文系のメインの就職先は「営業マン」。営業マンは無資格でも名乗ることができます。ライバルは文系のすべての人。それだけでなく理学部卒生もかなり流れてきます。さらに転職市場で流動する38歳程度までのすべての人がライバルです。当然勤務条件や成果の基準は厳しくなります。もし「司法書士」「税理士」「社会保険労務士」「行政書士」「弁理士」「宅地建物取引主任者」などの国家資格を取得できれば、ライバルの数は激減し想像以上に有利になります。

参考にした記事:法学部とは 就職状況、将来性、学ぶ内容、資格を解説〜本当に大丈夫?〜

法の加護は万能です。ちょっと裏の話をすると、医師や製薬業界は健康診断の基準をほんの少し変えるだけで何兆円ものお金が転がり込む仕組みを持っています。

なお異論があるかもしれませんが、一般的にはアルバイトよりも正社員の方がトランクの中身は充実しやすいと言えます。この点から大学を出てすぐに起業をすることにはあまり賛成はしていません。しかしながら、アルバイトや早い段階での独立でも、意識を強く持てばトランクを一杯にしていくことは十分可能です。正解はひとつではありません。

箱に入れるものをいま思いつかない場合は、とりあえず「書籍を1週間に1冊」読んでください。それは時間がたてば1つのトランクを形成していきます。何だ文系の話かと思った方もいるかもしれませんが、考えて書くことができる理系は圧倒的に不足しており需給バランス上非常に有利になります。

トランクのひとつの条件は上位5%であること

上の章ではトランクの中身についていくつか挙げてきました。トランクの中身は、変わったところでは「競馬の知識」などでも構いません。競馬そのものはなかなか収益になりませんが、初心者中級者向けにメールマガジンを発行できるようになると思わぬ収益につながります。ただし読者を獲得するためには、競馬ファンのなかで上位5%に入るような知識や専門性が必要です。この5%という数字は重要ですのでご記憶ください

勘の良い方はお気づきのように、資産になるトランクの条件は「上位5%の知識や経験であること」です。「語学力」、例えば英語力を身につけたい方は日本人の上位5%に入るような力量を目指します。映画や書籍なら、月に1つでは上位50%にも入らないでしょう。週に1つならば上位5%に近づいてきます。「司法書士」「税理士」などの有力な国家資格はそもそも上位5%の知識を持っていることが合格の条件でしょう。

ぜんたいとして、上位5%の知識や経験を得て、その他の95%の人にシェアすることで仕事として成り立つという観点が重要です。

【事例研究】山本敦史さんの4つのトランク

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山本敦史さん

・大阪府堺市 → ベルギー(留学) → 岡山県美作市(2012年~)

・「ジュエリーデザイナー」「野菜の販売」「製材所勤務」「山村でのスロー結婚式事業」の4つのトランクで生計を立てている。

参考サイト(画像出典を含む):田舎暮らしもいいけど仕事は?

トランクは「人的資源」ばかりではない

人生とはRPGのようなものです。「語学力」「国語力」「映画を毎週1本見てきた」「税理士」などのトランクを集めながら旅をしていきます。トランクを作ることができなければHP(生命力)がゼロに近づくのが今の社会です。大企業や公務員という大きな列車に乗れば安心とは言えなくなってきました。

しかし、大きな列車は、出発時刻、停車時間、車内ですべきことがすべて決まっています。そしていつもほんらいの自由がなく監視を甘受せざるを得ません。20代までに「7つのトランク」を集める旅も悪くはないのではないでしょうか?

さて、ここまで専門用語で「人的資源」と言われる知識や経験についてお話してきました。人的資源とは、「語学力」「国語力」「映画を毎週1本見てきた」「税理士」などあなた自身に属する無形の知識や経験です。

しかしトランクは「人的資源」以外にも、「物的資源」「社会的資源」から作っても構いません。「物的資源」とは要するにお金ですが、たとえあなたが宵越しのお金は持たない江戸っ子であっても、29歳までに180万円は貯金しておいてください。これは急に会社を辞めても1年間生活するのに必要な予算です。注意したいのは、退職した翌年の健康保険料と住民税は会社員としての収入を基に算出されるためかなりの負担となることです。それを加味しての180万円です。結婚した場合はおおむね1.5倍になります。

「社会的資源」とは人とのつながりです。同僚も大切ですが、師匠や指導した後輩を持つことも重要です。後輩は人的資源になるのでしょうか。卑近な例で申し訳ありませんが、「長嶋一茂氏宅への落書き騒動」で世を騒がせた江角マキコ氏がなぜ2015年3月にすべてのレギュラー番組を守り切ったのかご存知でしょうか?これは徹底的に面倒を見てきた後輩の岡村隆史氏の業界への働きかけが大きいとされています。江角マキ子氏が人的資源の「トランク」を作っていたことが、今回生き延びたひとつの要因です。

わが国で人生というRPGを楽しめるようになったのは、世情が大きく流動した幕末期や戦後復興期以来ではないでしょうか?そのほかの時代は貧しく仕事の幅も少なく、ただ肉体労働をするしか生き延びる道はありませんでした。そして高度成長期、バブル期は会社という列車に必死でしがみつく人生だけが正解でした。

トランクをコレクションすれば道が開ける今の多極化した時代を歓迎して取り組んで、生きましょう。「怖いものなんてない」のです。

参考になる書籍

出典:楽天(画像はクリックに対応)

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