上手な部下の育て方~教育のプロに学ぶ「秘密の投げ銭」とは〜


上手な部下の育て方にはどのような工夫が必要なのでしょうか?この記事ではあえて企業でなく教育現場に「育て上手」の方法論を求めることで、企業現場に欠けているものを浮き彫りにします。

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▼広告代理店での営業マン、教育産業での部長職を経て、キャリアアドバイザー(講演+インターネット事業)として独立した筆者が、ホンモノの成功者を輩出するために執筆しています。

▼あなたは学校の教師を馬鹿にしていますか?会社勤めの経験もないくせに子供に「ひとり立ち」を教えることなどできるはずがないと。

▼それも一理ありますが、彼らはやはり教育のプロです。長年にわたりそれに専念している訳ですので、そのノウハウは盗むに値します。

上手な部下の育て方~教育のプロに学ぶ「秘密の投げ銭」とは〜

教育のプロはどのように生徒を育てているか

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教育のプロはどのように生徒を育てているのでしょうか?この記事では高等学校などで教師を務め、優れた指導法が評価され校長になったA先生の指導法をケーススタディーとして理解してみます。学年集会を取材したときの様子です。

✔ 学年集会が始まるのに生徒がざわついているとき。

学年集会が始まるのに生徒がざわついているとき、並みの先生であれば「静かにしなさい」と大声で叱ります。しかしA先生はマイクを持ちますが一言も声を発しません。すると生徒は自ら「まずいぞ」と状況を理解し静かになっていきます。すかさず「いいですね~!素晴らしい聞く姿勢です」と第一声を発します。

✔ 特定の生徒が話に集中できないとき。

特定の生徒が話に集中できないとき、並みの先生であれば「君しっかり聞きなさい!」と叱ります。しかしA先生は少し時間をかけその生徒が一瞬集中力を見せた瞬間を見逃しません。「そこのあなた。いいですねえ。良い集中力ですよ」  これでこの生徒は変わります。

✔ 一部の生徒が余りにもひどい態度を取ったとき。

学年集会で一部の生徒が飽きてきて談笑を一向にやめません。並みの先生であれば厳しく注意するところです。しかしA先生は「そこは、いまなにか面白いことがあるの?!」と厳しく注意はしたのですが、最後に彼らに「ニカッ」と笑ったのです。談笑をしていた生徒は、叱られて体を固くし反抗心を育てる間もなく気分が変わってしまいました。

A先生の生徒の育て方 たった1つのコツ

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A先生のケーススタディーからたった1つのことが分かります。

人は自分を変えないことをとても好むものです。あまり良い例えではありませんが、病気や命の危険を感じるまで、人は大食いや酒やたばこを止めないものです。本当に危機を感じるまでは、いままでのやり方で突っ走りたいのが人の心理です。

つまり人は「肯定という金貨」を集める生活をしているのです。人と付き合う場合は、自分を肯定してくれる自分と似た人や好相性の人を自然と選びます。否定されたくないからです。

A先生の指導法はその性質をうまく突いたものです。騒がしい生徒がほんの一瞬気づくタイミングを見逃さず「肯定という金貨」を渡します。緊急でやむを得ず注意する場合、厳しく手短に注意しますがすぐに「肯定という金貨」のひとつである笑顔が渡されます。

上手な部下の育て方

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A先生の「肯定という金貨」方式で上手な部下の育て方を考えてみましょう。

✔ 部下の仕事の段取りが悪く非常に遅れているとき。

普通なら「仕事の段取りを良くしなさい」と叱り、注意点を説明するところです。しかしその部下がたまたま仕事を早く仕上げるまで待ち、そのときに「いいね!仕事が速くなった。だいぶ成長してきたね」と評価します。

✔ 部下の服装マナーが不十分で顧客を怒らせてしまったとき。

普通なら「君のあの日の服装、A社の部長にダメ出し食らったよ」と叱ります。しかしどんな部下もピリッとしているタイミングがあるものです。「おい〇〇。先輩を見なさい。これがビジネスマンとして模範的な服装ダヨ」と金貨を渡します。

✔ 部下の自己判断が過ぎ勝手に行動してしまうとき。

普通ならホウレンソウの指示をしたりあきらめて評価を下げるところです。しかしホウレンソウのない部下は、こちらからの信頼やアプローチが弱いことが大半です。

 

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該当する部下が取り組んでいる仕事への理解を深め、コンタクトを多めにしていきます。この「肯定という金貨」で部下が勝手な行動を取ることはなくなっていきます。

叱るは一瞬、「肯定という金貨」は長く輝く

人は本質的には肯定感だけを探して生きる存在です。叱り飛ばしても、その場で従うだけで大きな変化は訪れません。そしてまた叱ることとなり非常に効率が悪くなります。「肯定という金貨」は与えるまでに多少の手間がかかりますが、一度手渡せば長く輝き続け、その人を変えてしまうパワーを持ちます。

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