多くのビジネスマン(会社員、営業マン)が基本的な規範としている「7つの習慣」。この記事では7つの習慣のうち第7の習慣「刃を研ぐ」についてわかりやすく説明します。
▼広告代理店での営業マン、教育産業での部長職を経て、キャリアアドバイザー(講演+インターネット事業)として独立した筆者が、ホンモノの成功者を輩出するために執筆しています。
▼7つの習慣の全体像は以下の記事にあります。
7つの習慣 第7の習慣「刃を研ぐ」〜スキルアップと自己成長〜
7つの習慣とは 背景と全体像
・「7つの習慣」はアメリカをはじめ世界で3000万部以上の販売数を記録している経営学者コヴィー博士のビジネス理論です。
・人が受け身で周りに流されやすい「羊」のような存在から、強い自我を持つ「獅子」のような過渡期を経て、全てを受け止める「赤子」のような存在に至るという「ニーチェの3態」が土台にあります。
第7の習慣「刃を研ぐ」〜スキルアップと自己成長〜
第1から第3の習慣は、受け身でその場の外的環境や自分の気持ちに支配されやすい「羊」のような弱い人間像から脱皮する契機でした。
・第1の習慣 主体性を発揮する
・第2の習慣 目的をもって始める(終わりを思い描くことから始める)
・第3の習慣 最優先事項を優先する(優先順位の法則)
第4から第6の習慣は、自立し強くなった「獅子」のような個がぶつかり合うことを防ぎ、老成し人に好かれる「幼子(おさなご)」のような存在を目指す習慣でした。
・第4の習慣 Win-Winを考える
・第5の習慣 理解してから理解される(まず理解に徹し、そして理解される)
・第6の習慣 相乗効果を発揮する(シナジーを創り出す)
この流れをマスターすれば、他の人にはない独自の楽器を持ち独自の奏法を持ちながら、それでいてバンドやオーケストラの演奏も得意である社会が欲している人間像を目指すことができました。
しかし時代の流れは速く、例えば音楽も次々に新しいトレンドが生まれます。一度マスターした楽器をそのまま繰り返し演奏しているようなビジネスマンは取り残されますし、若さという特権を徐々に失う分の上積みも必要です。
コヴィー博士は「刃を研ぐ」研ぐことが必要だと説明しますが、その領域は主に4つあります。
・肉体を研ぎ澄ます
・知性を研ぎ澄ます
・関係性を研ぎ澄ます
・精神を研ぎ澄ます
ビジネスマンは4つの領域で「刃を研ぐ」ことが必要
「肉体を研ぎ澄ます」 … ビジネスマンの強敵は肉体的な疲れです。肉体的な疲れがあることで、仕事量は減り、表情は硬くなり人間関係も少しずつ冷え込んできます。年齢が上がるたびに顔色が悪く仕事の切れ味が衰え、いつもイライラしている上司や同僚はいないでしょうか?
忙しいビジネスマンは健康管理の時間が取れないこともよくありますが、下の記事には自宅や会社ですぐに簡単にでき、しかも効果が大きいことをまとめてあります。
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ブラック企業はもちろんのこと、どの企業でも社員やスタッフの数が減り仕事の負担は急増しています。昔の日本ならピンピンしていた20〜30代も「仕事に疲れた」「疲れが取れない」「体がだるい」……
「知性を研ぎ澄ます」… 文科省は今後、働く環境は次のように変化すると予想しています。
①高度な知識・技術が基盤となる社会
②変化の早い世界
③情報化
④グローバル化・多文化共生
⑤少子高齢・人口減少社会
今後ビジネスマンとして生き残っていくためには「各分野における高度な知識・技術」「パソコンやIT関係の技術」「語学力」を日々身につけていかなければなりません。変化の早い世界では、勤続年数が長いことが必ずしも有利でなく、後輩の台頭も早くなります。常に新しい知識、技術、考え方を取り入れなければ生き残れないのは確実です。何をしたらよいのか分からないという方は、次の記事が必ず参考になります。
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「関係性を研ぎ澄ます」 … 競合他社や国際的な競争が激しくなるなか、それぞれの組織が内輪もめをしている場合ではありませんし、顧客との信頼関係も最大値にもっていかなければなりません。高速上りエスカレーターのように景気が上向いていた1990年頃までの日本では、多少組織がさびていても会社は生き残れましたし、顧客を手放してしまっても十分に行き残りは可能でした。
個人に目をやっても、大学さえ出してもらえばほぼ全員が正社員につき定年まで勤めることができた珍しい時代でした。定年のあいさつでは「大過なく」が定番だったのです。いま「大過なく」程度を目標とした腰かけ社員は椅子がなくなる時代です。そしてそのような社員を半数以上抱えれば会社がなくなる時代です。
このような厳しい時代は一見嫌なものですが、スマートに戦えば決して怖いものではなく、むしろ強い人材を育てます。「関係性を研ぎ澄ます」ためには以下の習慣の定期的な見直しが大切でしょう。
・第4の習慣 Win-Winを考える
・第5の習慣 理解してから理解される(まず理解に徹し、そして理解される)
・第6の習慣 相乗効果を発揮する(シナジーを創り出す)
「精神を研ぎ澄ます」 … 人間の知性や関係性を背後で支えるのが、音楽・映画・小説などの文化に触れて育った豊かな心や、現代思想や学問の知識に触れて育った深く洞察する心です。目の前の知識・技術や人間関係のメンテナンスも必要ですが、それは有能なライバルならこっそりと気を配っています。
例えばダービーやジャパンカップなど競馬のG1レースではどの馬も最高の訓練、最高の食事、最高の体調を以って勝負に臨みます。しかし勝つのは1頭だけです。ゴール前の差は数センチになることもあります。
ビジネスでこの差を制すのは、大局観や人生観です。優れた大局観は選ぶ仕事や仕事の進め方を大きく変えますし、人生観は顧客との接し方を全く変えてしまいます。コヴィー博士は「生き、愛し、学び、貢献する」この4つこそ人のパラマントバリュー(最高価値)だと考えています。「生き、愛し、学び、貢献する」ことを追求する限り、人は必ず成功を収めることができるということです。そのための土台になるのが、音楽・映画・小説などの文化に触れて育った豊かな心や、現代思想や学問の知識に触れて育った深く洞察する心です
【まとめ】7つの習慣 「刃を研ぐ」〜スキルアップと自己成長〜
高度化ししかも変化が速くなった現代の社会やビジネスに日々対応していくには、現状を再生産するだけでなく「刃を研ぐ」心構えが必要です。
・肉体を研ぎ澄ます
・知性を研ぎ澄ます
・関係性を研ぎ澄ます
・精神を研ぎ澄ます
「7つの習慣」のメイン書籍はこれです(出典:楽天ブックス 画像クリック対応)
7つの習慣を日本に紹介したジェームス・スキナーが37分間で成功哲学を語った無料CDもあります。ジェームス・スキナー公式サイト
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