嫌な上司・嫌いな上司への対処法〜超ライフハック〜


「嫌な上司への対処法」などと題されたさまざまな記事に目を通してみました。言葉は悪いですが、どうも視点が低い記事が目立ちます。人と人の関係は決してシンプルなものではありません。この記事ではライフハックを超え、あなたの人生を(少し)変える超ライフハックを提示します。

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▼広告代理店での営業マン、教育産業での部長職を経て、キャリアアドバイザー(講演+インターネット事業)として独立した筆者が、ホンモノの成功者を輩出するために執筆しています。

▼リード文では大きく出ましたが、相性の悪い人間関係は多数のパターンがあります。この記事では一類型に過ぎないものの、比較的クリティカル(致命的)になりやすいパターンを一つ「超ライフハック」します。

嫌な上司・嫌いな上司への対処法〜超ライフハック〜

【前座】役立たない話を長くする上司への対処法

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「嫌な上司・嫌いな上司への対処法〜超ライフハック〜」の前座として、さっと答えておきたい質問があります。役立たない話を長くする上司への対処法です。

「部長、取締役のように役職が高い人は抽象的なことしか言わないので、役に立たないのですが、どう対処したらよいですか」(ビジネスソフト会社勤務・22歳)

 

ちょっと冷静に考えれば年齢が離れている人に話をするのは意外に難しいものです。大人が小学1年生に「入学後注意すべきこと」を話すのに似ています。「えんぴつは2BかBで、5本以上。前の晩に削っておき……」。最近はHBを使う児童は減っています。時代の変化も考慮し相手に合わせて話すのは大変なことです。

部長や取締役も、30年以上前の自分に話すのはなかなか大変だと思います。抽象度が高くなるのもある程度仕方がないかも知れません。しかし、部長、取締役レベルが主張する内容は、いまは理解できなくても5~10年後に腑に落ちることがあります

人は新しいものごとに接するとすぐに「分かる」「分からない」に分けてしまいがちで、どちらでもない領域に保留しておくことが苦手な傾向を持ちます。18歳から38歳ぐらい年齢は頭の回転もよくせっかちです。もやもやした話は自分の体験や既知の知識にやや強引に結びつけて「分かった」としてしまうか、意味がないものとして拒絶してしまうかになりがちです。

頭の中に分かったという「白い引き出し」と、分からないという「黒いごみ箱」しかないようなら、グレーの引き出しを作っておくと良いと思います。

いかがでしたでしょうか?私は新入社員の頃「企業というのは、当初悪を引き受けなければ善に転化しえない」という社長の言葉に違和感を持っていました。しかし妙に引っかかる言葉であったことは確かで、ずっと「グレーの引き出し」にほこりをかぶっていました。しかし現在、独立開業してようやくその意味がおぼろげにわかってきました。ビジネスの奥は意外に深いものです。

嫌な上司・嫌いな上司への対処法〜超ライフハック〜

さて、本題の「嫌な上司への対処法〜超ライフハック〜」です。そもそも嫌な上司といっても、その嫌さ加減や相性の合わない理由は千差万別です。しかし、比較的クリティカルな事態(上司側が部下の異動を希望、部下側が異動願い提出や転職)にまで到達するのはこれから説明するパターンです。

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30代の働きざかりの会社員Aさんは、虫の好かぬ同僚について、あれ思いめぐらしているうちに、その同僚が部長と話している態度が一番気に入らぬことに思い到った。「なんだ、あいつのへつらった態度は」と思った瞬間Aさんは笑い出してしまった。

出典:『働きざかりの心理学』河合隼雄(画像はクリックできます)

河合隼雄はスイスの「ユング研究所」で心理学を学び、日本に心理学を広めた人物です。河合隼雄さんは、虫の(が)好かぬ同僚という言い方について、この私が誰かを嫌うのに「虫が」というのは不思議だと書かれています。虫の知らせあるいは虫が好かないというのは昔からの言葉です。「理由(わけ)もなく」というときに使いますが、河合隼雄さんは「潜在意識」の働きを昔の人がおぼろげに示唆していたのではないかと考えています。

潜在意識とは、実質的に人の行動や考えの大半をコントロールしているのに、その姿を感じ取れない不思議な巨大な領域です。まるで巨大な森の前に小さな家があり、住人はランプがついた家の中しか見えないようなものです。

30代の働きざかりの会社員Aさんは、虫の好かぬ同僚について、あれ思いめぐらしているうちに、その同僚が部長と話している態度が一番気に入らぬことに思い到った。「なんだ、あいつのへつらった態度は」と思った瞬間Aさんは笑い出してしまった。

30代の会社員Aさんの潜在意識が、同僚に「NO」を突きつけた理由はお分かりになりましたでしょうか?

Aさんは心の見えない奥の方で上司にペコペコする自分が嫌いだったのです。そして自分を映す鏡のような同僚の行動に辟易(へきえき)としていたのです。簡単に言えば、同族嫌悪です。

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そして、あなたは絶対に認めたくないと思いますが、あなたが人生で一番毛嫌いしている(していた)上司は、たいていはあなたと同族なのです。「同族」では受け入れがたいなら、欠点に共通項があると考えても良いでしょう。残念なお知らせですがこれは心理学的事実です。ほんの数日でこの理屈を受け入れる人もいれば、数年以上熟成させないと許容できない人もいます。しかし手っ取り早く成長するなら、まずこの同族嫌悪の理屈を受け入れてしまうことです。

このタイプの上司といるとあなたはいつもイライラし、ある段階まで到達すると言うこと為すこと全てに嫌悪を抱くようになります。そして前述のように、上司があなたを異動させるか、あなたが異動願いを出すか転職するまでに至ることがあります。

※なお、あなたに同族嫌悪タイプの嫌な上司がいたとしても、同族と受け入れるまでに(若ければ若いほど、頑固であれば頑固なほど)長い時間がかかります。そのようなときは、信頼できる同僚に「自分とあの上司似たところがある?」と聞くと、同僚は言いにくそうに教えてくれるはずです。あなた自身がなかなか見ることができない「後ろの広大な暗い森」を、隣人は意外に見ているものです。

致命的に嫌な上司・嫌いな上司への対処法

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あなたの欠点に共通項がある上司との対立はクリティカルな局面に至る可能性があります。その対処法はいかなるものでしょうか?

・常に一定の距離を置くように努める。
・かわいそうな人だと思い、イライラや怒りを同情に変える。
・関係をこじらせないように、むしろ礼儀正しく接する。
・目の前の仕事に集中し、あまり気にしないようにする。
・その人の長所を見つけるよう努力する。

どれも多少合わない程度の上司ならば有効です。しかしクリティカルに対立している上司とは、上記のような方法では対処できないことが明確です。距離を置こうにも内線電話が入る、かわいそうだと思ってもイライラは収まらない、礼儀正しくしようにも行動の端々に嫌悪感が出てしまう、仕事に集中しようにも話しかけられる、長所を見つけても短所が大きすぎる……。

この場合の対処法はたったの一つです。上司と自分に共通する欠点を見つけ出し、自分がその欠点を克服してしまうことです。このことで、その上司はもはや自分が成長してきた過去の地点に留まっているひとりの小人間となり、もはやイライラや怒りの対象ではなくなります(過去の自分を観察するほほえましい時間になります)。

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