若手社員、新入社員、アルバイトも可能なクレーム処理の基本


若手社員、新入社員やアルバイトでも現場に出れば一人前のスタッフと見なされます。その結果クレームを受けることもあります。そのようなときのクレーム対応の基本をお伝えします。

0a4c9820dffaec1af314816692bc4f17_s

▼広告代理店での営業マン、教育産業での部長職を経て、キャリアアドバイザー(講演+インターネット事業)として独立した筆者が、ホンモノの成功者を輩出するために執筆しています。

若手社員、アルバイトも可能なクレーム処理の基本

ある大手スーパーのクレーム対応 新入社員のあなたはどう思いますか?

744ba4c6f19269bbdfd9ec1c9fc7a2e2_s

参考サイト:兵庫県姫路市のスーパーの土下座強要 イオンはプライドを捨てたのか

2015年の4月24日、西日本のある大手スーパーの店長らに土下座を強要したとして中年の男が逮捕されました。男は近隣ではクレーマーとして知られており、今回はレシートに書いてある「ポイントの有効期限」について店員に尋ねたのが発端です。

店員は「記載の通りです」と答えましたが、容疑者は対応が悪いと店員、店長に何度も頭を下げさせます。最終的には店長が土下座は不可避と判断し土下座しました。

あなたはこのクレームについてどう思いますか?

実はこのクレーム、大半のメディアが店を被害者として報じていますが、サービス業においても営業においても「記載の通りです」という答え方は本来あり得ませんね。もし企画書や説明書の内容について先方から尋ねられたとしたら、「記載の通りです」と答える営業マンはいないでしょう。お役所的な返答であり、誠意がないと思われても仕方がない対応です。

スーパーの店長は「土下座させられプライドが傷つけられ悔しい」とテレビのインタビューに答えました。今回に関しては非常識とも言える特殊な客ですので「悔しい」と思う気持ちも分かります。しかし、店長は「記載の通りです」と答えてしまうような店員を育ててしまったことを悔しがるべきで、営業や販売職が「プライド」を口にするのには強い違和感を覚えます。

接客・営業に採点基準なし

18fefd66e684003e597da1252104af12_s

学校の勉強なら、きちんと準備すれば必ず成果が出てきます。正解や採点基準が明確に準備されており、それに沿った答えを書けば必ず評価されるからです。しかし実際の仕事に関しては、ベストを尽くしたサービスや対応内容にも関わらず大きなクレームになることは珍しくはありません。

テストには「採点基準」がありフェアな勝負事ですが、仕事の採点基準はお客の価値観によって評価が大きく異なります。例えば自分の会社と他社が商品のプレゼンに出席し、他社が数分遅刻したうえプレゼンも若手が担当したどたどしくスムーズでなかったとします。この場合、誰が見ても相手の会社の負けだと感じるかも知れません。

しかし相手方の決定権者が数分の時間にこだわるタイプでなく、むしろたどたどしい若手の方が嘘も言っていないだろうし、今後も要求を伝えやすいと考えて他社に決定することもあります。このようにビジネスにおいては非常にランダムな要素があるため、結果を完全に予測することはできません。

このことが分かっていれば、「当方にミスはない」「プライドが傷つけられた」のよな低次元の対応は出てこないはずです。

プロの接客業としての見識を疑われる

今回の大手スーパーの一件では「クレーマーとして有名な非常識な客がやったこと」と反省材料としてはいないようです。しかしながらこの件では「記載の通りです」のという初期対応に誤りがあったことは明確です。

お客は読んでも分からない、納得できないから聞いているのであって、ベテランの店員なら「記載の通りです」と答えることは100%ありません。「分かりにくい点があって申し訳ありません。ご説明します」と言えば問題にはならなかったでしょう。

結果的にクレームになっている訳ですので「こちらの対応には問題がなかった」などと言い訳しても意味がありません。営業・接客に関しては、クレームは基本的には出したら負け、が基本です。学校のテストではありませんので、きちんとやった(つもりである)から必ず評価されるものではありません。また「特殊な客」などという概念も存在しえません。客はそもそも千差万別の個性を持ち、言ってみれば「全員が特殊である」ということは仕事を始める前に分かっていることです。

若手社員やアルバイトがクレームを出したときの、基本的な対応手順

新入社員がクレームを出したときの基本の手順は以下の通りです。

クレーム対応の基本的な手順

・すぐに謝る
・お客の話をよく聞き、間があったら相手の話を復唱する。お客が話し切るまで絶対に話を止めない。
・「劣悪」などの最上級表現の言葉を使い強めの自己批判をする

 

クレーム対応の例文

「大変申し訳ございません。………当店の者が『記載の通りです』と大変失礼な対応をしたということですね。………『記載の通りです』のようなぞんざいな対応はあってはなりません。まったくご指摘の通りです。………(お客が何度か同じことを繰り返し、十分に話し切り大きな間ができる)今回は当社スタッフの劣悪な対応によりお客様に不快な思いをさせました。私の指導不足であり猛省いたします」

逆にクレーム処理に失敗する手順は以下の通りです。

・なかなか謝らない。
・お客の話に割って入る。途中で勝手に切り上げようとする。気持ちのこもらない定型句を使う。
・この期に及んで自己弁護をする。

「……なるほど。この後スタッフの言い分を聞きますが、もし当方のミスならお詫びせなばなりません。……(割って入り)こちらとしても日頃よりスタッフ教育としてはですね、……。………お客様の言い分はもうよく分かりまして、失礼ですが少々繰り返しになっております。頂いたご意見は社内で十分に検討させて頂きます(定型句)。今回はお客様のご期待(←自己弁護)に背く対応があったかもしれず、ご迷惑をおかけしたようです」

ちょっとしたコツは、相手が主な内容を話し終えたところで、少し相づちを減らし間を作ります。すると相手も人間ですので、少し叱りすぎたかな、長く言い過ぎたかなと冷静になります。間を少しずつ広げて相手の方に、話を終わらせる素振り(ムード)があって初めて話を終わらせます。

また少しでも早くクレーム処理を終わらせるという気持ちではなく、少しでも長くお客に意見を言ってもらうという気持ちが高い解決率を生みます

クレームを入れる客というのは話したいからクレームを入れているわけです。本当に怖いのは、話さずに音もなく去っていく顧客です。こういった顧客は2度と来店しないばかりか、悪い口コミを広めることもあります。クレームを入れる客は納得がいくと長きにわたりしっかりと応援してくれます。

やや大げさに言えば「大悪起これば大善来たる」ということです。

関連記事

6a843a0bbfd460b802833169c9959d6b_s

【会社を出てわかった】会社員やフリーターが20代までやっておくべきたった1つのこと

ある大学生から「29歳までにやっておくべきことは何ですか」との質問を頂きました。この質問については、多くの応答が過去にされていると思いますが、今後の日本の産業の動きを考慮すれば……

 

コミュニケーションが苦手な口下手&コミュ障はたった1つの「思い込み」を捨てなさい

コミュニケーションが苦手で口下手&位コミュ障を自覚している方はたった1つの「思い込み」を捨てれば大丈夫……

他人に興味がなく人間嫌いなコミュ障が生き延びるための超ライフハック

他人に興味がなく人間嫌いなコミュ障。一見会社員や社会人としては苦しい立ち位置ですが、そこから始めてそれなりに振る舞うための超……

初出勤が怖い?新入社員、バイト、中途採用者がやるべきこと超ライフハック

……・ただし、派遣社員や清掃員に至るまで疎かにしないのが、人間のルール。・メモを取ることで相手の自尊心を立てる。もしこのことをもっとシンプルに超ライフハック化するなら「全社員をタレン……

嫌な上司への対処法〜超ライフハック〜

「嫌な上司への対処法」などと題されたさまざまな記事に目を通してみました。言葉は悪いですが、どうも視点が低い記事が目立ちます。人と人の関係は決してシンプルなものではありません。この記事では……

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました