辞めたい新入社員の退職の3大理由 辞めていい人ダメな人


この時期、退職を考え始めている新入社員は決して珍しくありません。しかし、その理由によっては、辞めてしまったら後悔するものもあります。この記事では、新入社員の退職の3大理由に関して、それぞれ退職すべきかどうかを、分かりやすく説明します。

▼広告代理店から教育産業へ転職。その後、独立に成功した筆者が、本当の成功者を輩出するために執筆している塾のようなサイトです。学校での講演、年80回。

予備知識① 新入社員はいつ退職を意識しているの?

  • 5月〜6月 … 最も多い時期。会社の雰囲気がある程度分かり判断材料が揃い、一息つくGW前後に退職を考える。
  • 4月 … 職場のギャップが想像以上に大きく、すぐに退職を考えるケース。5~6月に次いで辞める人が目立つ。
  • 夏から秋(7~11月) … コンスタントに退職相談が出る時期。逆に辞める人が少ないのはボーナス月の12月や、区切りが近い1~3月。

予備知識② 新入社員は3年我慢しろは本当?

【結論】辞めたい新入社員の退職の3大理由 辞めていい人ダメな人

新入社員が退職を決意する理由はさまざまですが、全ての理由は、下の3つに分類されます(数値は統計調査を参考にしています)。

  • 学生の頃と違う理不尽な人間関係[上司]や評価(5割程度)
  • 予想より勤務条件が悪かった(3割程度)
  • 予想とまったく違う業務内容(2割程度)

それぞれについて、解決の手段や、辞めるべきか辞めないべきかを説明いたします。

【1】学生の頃と違う理不尽な人間関係(上司)や評価:新入社員の退職理由

会社の良し悪しは、勤務条件(給与・残業時間等)や業務内容(やりがい・効率等)できまります。しかし、勤務状況・業務内容に不満があっても辞めない新入社員もいます。理由を聞くと、たいてい人間関係の良さを挙げます。逆に言えば人間関係が悪い職場は、どれだけ仕事や条件に魅力があっても長く続けるのは難しいものです。

新入社員の場合、部下はおらず同僚との人間関係が悪いケースはそれほどないため、もっぱら上司との関係になります。まずは、仕事の指示に関して不満を持つケースもが多いでしょう。

……何か手伝いましょうか、次に何をすればいいですか? と聞いても、忙しい上司は迷惑がることもあります。また気を利かせて、言われていないことを片付けたとしても、それは今やることではない、と言われることがあります。

(新入社員は)言われたことしかやらない論争が毎年くり返されますが、根底には個人差があります。許容範囲の広い上司は、多少手順が違っていても、気を利かせたことが分かるなら否定はしません。一方、新入社員も未知の仕事にどこまで「攻める」かは個人差があります。

この上司の「許容範囲」と新入社員の「攻め方」には相性があります。同じ新入社員でも、上司との相性が良いと、あいつはまだわかってないけど、よくやっているとなり、相性が悪いと、相談をせず勝手にやり、叱ると言われたことしかしないとなります。

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上司も部下も人間であり様々な個性を持つため、相性が合わないことがあり、新入社員の退職理由になることがあります。

上場企業の部長以外の上司は全てクズ

人間にはさまざまな個性があり、その個性に合わせた指示や指導を行うのは、上司の役目です。しかし、東証一部上場企業の部長クラス(通常50歳程度)以外は全てクズだと思ってください。一部上場企業の課長以下は、管理職として未完成。中小企業なら部長以下は全て未完成です。

たいていの上司は、自分は新入社員の指導がうまいと思っています(そんなことないのに)。しかし、どの上司も指導方法を専門的には学んでもおらず、自己流の自画自賛に過ぎません。例えば、会社の上司は、知り合って間もない新入社員を平気できつく叱ります。指導方法を学んだ学校の教員(とくに高校)で、信頼関係も築けていないのにきつく叱るような、誤った指導をする人は皆無です。学校の教員から見れば、企業の「指導上手な上司」などゴミクズ以下のレベルです。叱るというのは、親子関係に見られるように、信頼関係がある、もっと言えば好きという感情が前提になります。自分が好かれてもいないのにきつく叱る上司など、論外と考えてください。

また、さまざまな新入社員を平等に見ることができ、冷静にサポートするには、人間的な完成度が必要です。早い人で40歳、遅い人で50歳の年齢は必要です。中小企業では、人材がそれほど広範ではないことから、中堅社員に部長職を与えますが、上場企業では、部長職は50歳前後となる傾向です。よって、上場企業の部長未満の上司は全てクズ(未完成)と言えるのです。

そのため、上司の指導方法については、あまり期待しないで臨むというのが正解です。学校の教員は、時間をかけて指導法を学び経験を積みますが、それでも100点満点ではないでしょう。会社や役所の上司は、担当業務が仕事なのであって指導法の習熟の時間がないのが通常です。指導法について5冊、10冊と本を読むのは、上場企業の部長クラスとなるでしょう(もちろん上場企業の部長が全員指導がうまいわけではありません)。

結論としては、会社や役所の上司の指導力に関しては、初めから30点程度の想定で臨むとケガをすることがなくなります。もしあなたが上司の指導力が理由で退職を考えているのなら、それは中学や高校で教育実習生(大学生)の授業がつまらないから退学したいと考えているのと似たようなことです。

指導スタイルはともかく、人間的に無理という上司と出会ったら

一方、上司の指導スタイルではなく、人間的に合わない(とにかく虫が好かない)という方は、次の記事が解決策になる可能性があります。

 

嫌な上司への対処法〜超ライフハック〜

「嫌な上司への対処法」などと題されたさまざまな記事に目を通してみました。言葉は悪いですが、どうも視点が低い記事が目立ちます。人と人の関係は決してシンプルなものではありません。この記事ではライフハックを超え……

 

企業の評価方法は、基本的には恣意的(でたらめ)

大企業を中心に、社員をなるべく客観的に人事評価しようという仕組みが充実しています。しかし、とくに中小企業は、管理職や経営陣の恣意的(基準がなくでたらめということ)な人事評価がまだまだ主流です。また、表向きは社員相互の評価をポイント化し、客観的に評価しているように見せかけつつ、裏では経営者が独断で評価を下しているような巧妙な会社もあります。また、毎年社員表彰項目が予告なしに変わる、ありえない企業もあります(1年間、表彰をめざしてきた社員は面食らいます)。

このように、評価の仕組みは、客観性が高い場合と低い場合があります。人事担当者に、評価の仕組みを聞いてみましょう。そして、誰が評価しても同じ結果が出る仕組み(数値的な評価が基本)であれば、納得がゆくはずで、そうでなければ、その程度のものと考えましょう。

  • 評価が客観的(数値重視、大企業に多い) … 評価を信頼し、評価を上げることを軸に行動する。
  • 評価が主観的(人間の判断を重視、実質好き嫌いになることも) … 評価を気にせず、自分が顧客に対して何を提供したいのか、自分がどう成長したいのかを基準に行動する。

【まとめ】学生の頃と違う理不尽な人間関係(上司)や評価に悩んだら

学生の頃と違う理不尽な人間関係や評価に悩んだ場合の対処法を、チャートで示します。

  1. 精神、肉体、生命に、すぐに重大な被害が出かねない深刻なパワハラ・セクハラ → 即退社します。できればICレコーダー、タイムカード等で証拠をつかんでください。退社連絡は、電話かメールで構いませんが、メールはあとから見ていないと主張されるため、電話が無難です。
  2. 短期間なら何とか我慢できるパワハラ・セクハラ → まず証拠をつかみます。関連記事:【すぐ辞めろも3年耐えろも嘘】新入社員が会社を辞めるべき時期とタイミング
  3. 理不尽な上司 → 上場企業の部長以外の上司は全てクズ。30点程度の期待で再度見直してみます(100点を期待すると、非常に腹立たしく感じます)。それでも我慢ならない場合は、証拠をつかみます。関連記事:【すぐ辞めろも3年耐えろも嘘】新入社員が会社を辞めるべき時期とタイミング
  4. 理不尽な評価 → 人事に確認し、評価が客観的か主観的か確かめます(信頼できる上司への裏とりも必要)。①客観的だった場合、しばらくそれに合わせて努力します。時間がたつと、評価の本質が分かり、納得できるばあがあります。②主観的だった場合、評価を捨て、自分のなかに評価の軸を移します(自分が顧客や自分のために何をしたいか)。

(補足)パワハラやセクハラの証拠をつかむ

下のペンがおすすめ。ペンとしての機能やデザインも追求し、替え芯も入手しやすい。ペンのクリップを下げれば録音開始。保存は、付属のケーブルをPCとつなぐ。会社にバレる可能性は低く、万一の場合は会議録音用と説明できりる。取り上げられても付属のケーブルがなければ、再生すらできない(ほかの機種は再生ボタンがある)。

(補足)上司の指導や評価に左右されないために

お前は同期の中でいちばん仕事ができないと上司に言われた。心が折れた。どうしたら立ち直れるだろう? こpの質問から始まる、第2章が役立ちます。

【2】予想より勤務条件が悪かった:新入社員の退職理由

新入社員が退職を考える理由として、2番目に目立つものは、残業の多さ、休日の少なさ、早起きや通勤ラッシュのつらさ、給与額など勤務条件に関わるものです。入社前の説明内容やイメージしていた内容とのギャップが大きいほど、つらさを感じます。

入社時の説明では、時期や部署によってだったはずが、常に残業があるというようなケースです。人間らしい生活の基本である、食事や休息を疎かにしながらの残業。特に新入社員は自分で残業時間や量のコントロールができる訳でないので、ストレスがたまりまり、体調不良を起こすケースも多々あります。

勤務条件に関しては、優秀な人材を多く採用するために、入社前にはっきり説明しないのが通例です。そのため、入社後ギャップを感じる新入社員が多くなります。

キツイ勤務条件によるつらさは、多少の様子見も必要

キツイ勤務条件によるストレスや体調悪化の問題は、半年から1年で解消する可能性もある問題です。なぜなら人は拘束時間が長いことにストレスを感じるのではなく、自分の意思(裁量)でそれを決められないことにストレスを感じるものだからです。

例えば、好きなRPGゲーム。何十時間かかろうが、徹夜になろうが、休日がつぶれようが、人はストレスは感じません。ボトラーという言葉すら存在します(トイレに行く暇すら惜しい為、ペットボトルで小尿を済ます廃人という意味)。ゲームでなく、資格試験の勉強も同様です。周りの環境から強制される感のある受験勉強はストレスになりますが、自分で決心して始めた資格の勉強は、長時間であっても思いのほかストレスにはなりません。このように、人はやるべきことの量の多さやかかる時間ではなく、自分の意思(裁量)でそれを決められないことにストレスを感じるものなのです。そして精神的ストレスと体調は、完全に連動します。同じ12時間の仕事でも、自己裁量が大きい場合は、肉体的にも疲れにくいものです。

新入社員の頃は、上司や部署全体の進捗状況に振り回されます。帰宅しようとしたら、上司がそういえばと、思いつきで仕事を振ってくるケースです。しかし、半年から1年もたてば、社員として自立し自分の裁量が大きくなってきます。自分の裁量で残業や休日出勤をコントロールできれば、体力の配分もできるので、入社直後より相当楽になってきます。

そのため、残業の多さ、休日の少なさ、早起きや通勤ラッシュのつらさが理由で辞めるならば、あと半年は様子を見た方がいいと言えます。体調管理のコツも知っておくとよいでしょう。

 

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ただし、1年たてば同期の半分以上が辞めてゆくような完全なブラック企業では、何年待っても状況は改善されません(慣れると仕事が増える、負のスパイラルです)。その場合には、自分の心と体を守るために、退職に向けてすぐに準備を始めます(詳細:【すぐ辞めろも3年耐えろも嘘】新入社員が会社を辞めるべき時期とタイミング)。

一方、同期の半数以上が5年程度は残る会社は、ブラックというよりもグレー企業です。もし転職をする場合、できれば3年間正社員を継続してから辞めないと、履歴書上の評価を落とされることがあります。履歴書上の体裁いった視点でなく、もっと高い視点で語るとしても、3年間は勤めなければ、あなたのキャリア上の武器となるトランクをうまく作ることができません(トランクについては下の記事に説明があります)。

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【3】予想とまったく違う業務内容:新入社員の退職理由

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新入社員が退職を考える理由として、2番目に目立つものは、予想とまったく違う業務内容です。

採用時の配属予定が企画職のはずが、実際には営業職、テレホンアポインターだった。入社前後に退職者が出たとかで、配属部署が変わってしまった。データを使ったシステマティックな営業をイメージしていたが、足で稼ぎ頭を下げるだけの古いスタイルだった。友人の会社のオフィスは広くきれいなのに、自分のところは狭くて汚い。

業務内容、あるいはオフィスやバックヤードの環境などが、入社前のイメージと大きく違うというのも、新入社員が辞めたいと思う理由になります。とくに意味不明の研修風景が話題になる、営業マンや販売職は新入社員があまり好まない仕事かも知れません。

営業マンや販売職は下らないか

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営業マンや販売職は下らないと思う方は、いまの時代を少しだけ高い視点で見てみることもおすすめです。

公務員や教員は、確かに社会的意義があり安定した仕事です。しかしながら、致命的な弱点があります。キャッシュポイント(=収益発生源)を他人に握られている点です。公務員も教員も価値あるサービスを生み出している点で、民間企業と何ら変わりはありません。しかし、公務員も教員も、命綱を国や地方公共団体に握られています。

顧客が商品やサービスに納得して対価を払うのではなく、国や地方公共団体が強制力で対価を回収している点が、公務員というビジネスの、大きな欠点です。端的に言えば、何年公務員を務めても、稼ぎ方を覚えられないので、もし民間に転職する場合圧倒的に不利になりますし、将来の独立もかなり厳しいものとなります。国も地方公共団体も財政は緊迫化しており、このさきずっと安泰とは言い切れません。社会全体を見れば、個人の時代、副業の時代と言われるなか、営業力が時代の主役に躍り出ている瞬間がまさに今だと思います。

年齢を重ねれば重ねるほど、知識・技術・経験を重ねれば重ねるほど、威力を発揮するのは、営業力です。現代は、ものづくりの技術水準はやや高止まりし、どの産業でも商品やコンテンツは似たり寄ったり。コンテンツが似ているならば、営業力や表現力が高い人が生き残る時代です。営業は確かに足で稼ぐ部分があり、ただただ低姿勢で対応しプライドも何もなく、新入社員にとって大きな苦痛であることはよく分かります。しかし、確かな営業力を持っていれば、これから40年以上食べられなくなることはありません。

(補足)営業マンは大人しい人でも良い

現代の営業マンは、元気で明るい人が勝つとは言い切れない面白さがあります。自分の話をよく聞いて欲しい、しっかりと意向を通したい、嘘はつかれたくない。こういった顧客が現在は大勢ですので、大人しくてまじめな人にもチャンスが大きいが今の時代です。営業マンが合わないという理由で退職を考えているのなら、再考の余地があります。

キツいだけ、意味がない、違うやり方があると思っているうちに退職してしまっては損

始めた頃は、キツいだけ、意味がない、違うやり方があると思えた仕事も、半年たつごと慣れが生じ、本質が見えてきて再評価するタイミングが来ます。そのタイミングまで持ちこたえれば、獲得したものをどう次のキャリア(転職、独立、あるいは会社に残留)につなげるのか戦略が見えてきます。

キツいだけ、意味がない、違うやり方があると思っているうちに退職してしまっては、転職エージェントや転職先の面接でネチネチ言われるのが落ちです。

  • どの仕事もキツいのは同じ。いま辞めて転職してもうまくいかないと思いますよ。
  • 半年程度経験しただけでそのやり方に意味がないとどうして言えるのですか?
  • 違うやり方があるというのなら、そのやり方で成功した実績がありますか?

新入社員が業務内容に対しギャップを感じるというのは、自分がそうであっただけに非常によく分かります。しかし早い段階で抜けてしまうと、転職の面接で必ずネチネチ言われるはずです。業務内容に疑問を感じた場合も、可能なら3年は我慢し、自分なりの改善案を実施してから転職したほうが、転職自体もうまくいきますし自分の財産(トランク)も増えていきます。

今回は営業マンを例にとって説明しましたが、ほかの職種でも、少し待てば見えてくるものがあります。重大なパワハラやセクハラ、あるいは常軌を逸した残業が課されるブラック企業(目安は1年以内に同期が半分以下になること)では、すぐに退職準備に着手すべきですが、グレー企業の場合、少し待てば視界が開けることもあります。

【まとめ】辞めたい新入社員の退職の3大理由 辞めていい人ダメな人

①学生の頃と違う理不尽な人間関係(上司)や評価 … 上場企業の部長でもなければ、上司の指導法は基本的にはクズです。また企業の評価方法は、恣意的(主観的)な場合も多いです。上司には初めから30点程度の期待とし、自分のなかに評価軸を持ちましょう。

②予想より勤務条件が悪かった … 精神的、肉体的なキツサの本質的な根源は、裁量権を他人に奪われていることです。少し待てば裁量権が増え、思いのほか楽になり、キャリアの貯金ができる場合があります。ただし、1年たてば同期の半分以上が辞めてゆくような完全なブラック企業では、改善の見込みはなく退職準備に入ります。

③予想とまったく違う業務内容 … キツいだけ、意味がない、違うやり方があると思った段階ですぐに辞めてしまえば、転職時の面接で手痛い追及に合います。少し待つことで、仕事の本当の意味が見えてきたり、対案を実践できるようになります。それでもやはり、業務がつまらないという段階で転職しましょう。すると、面接でも、非常にスムーズに説明でき、成功率が跳ね上がります。

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